おまかせルーマニア・ブルガリア10日間

2018年 5月 14日 〜 23日
H.I.S. Impresso (添乗員:新堀友子さん)
に参加して


PART.2  シビウ   ビエルタン要塞教会   シギショアラ歴史地区







 



ルーマニア国旗







日程 3日目 5月16日

9時45分 ホレズ修道院を出てトランシルヴァニア地方の南端に位置するシビウの新市街には12時過ぎに到着。
ルーマニアの北半分を占めるトランシルヴァニア地方、トランシルヴァニアとは「森の彼方の国」という意味で、文字通り「街」を離れると森林が広がっています。
ルーマニアでは定番のビーフチョルパの昼食を摂り商業の街シビウ市内観光へ。
ルーマニアの都市の中でも決して大きくはありませんが、旧市街は12世紀から続く歴史に裏打ちされたヨーロッパらしい中世の街並みが残る街です。
シビウには、旧市街を取り囲んでいた城壁と見張りの塔が今でも残っています。12世紀にトランシルバニア地方にやってきたドイツ人によって築かれたシビウでは、「ギルド」と呼ばれる職人組合が手分けをして町の統治を行っていました。そのため、見張りの塔には、「大工の塔」、「陶器職人の塔」といったように、町の防衛を担当していた各ギルドの名前がつけられています。
当時の街並みが残るシビウ旧市街は、アッパータウンとロウアータウンという2つのエリアに分かれていますが、観光の中心となるのはアッパータウンで、美しい建物に囲まれた大広場と小広場があり、絵本から飛び出したようなドイツ風の可愛らしい街並みが広がっています。

シビウ大聖堂(福音教会)
旧市街の中心に聳え立つシビウのランドマーク的な存在となっているのが、14世紀に建てられた「ルター派」の大聖堂でドイツ系の移住者によって建てられた教会です。
シビウ大聖堂は高さが約73メートルあり、旧市街でもっとも高い建物となっています。
堂内には、バロック様式の祭壇には背後の幾何学的なステンドグラスに浮かび上がる十字架のキリストと、脇に聖人2人。6000本もの管を持つ豪華なパイプオルガンが据えられていて、とても見ごたえがあります。
また、主祭壇の左手の壁には見事なフレスコ画もあります。
あまり明るくなかったので、細かいところまでは見えなかったのですが、ゴシックのヴォールト天井、側廊と主廊を遮る柱の上の浮彫・・・豪華で美しかったです。

三位一体ルーマニア正教会大聖堂(聖三位教会)
もともとこの地に住んでいたルーマニア人が信仰しているのが、「ルーマニア正教」です。12世紀以降、ドイツからの入植者が力を握っていたトランシルバニア地方ですが、シビウにおいては、18世紀〜19世紀頃からルーマニア人の人口が増え始め、20世紀初めには、シビウの旧市街にルーマニア正教の大聖堂が建てられました。
ルーマニアではヤシにある正教会に続き2番目に大きいそうです。
同じキリスト教とはいえ、東方教会に属するルーマニア正教の教会内部は、カトリックやプロテスタントの教会とは趣が全く異なります。
綺麗な見事な大聖堂内部は、東方教会らしい絢爛豪華な装飾。
正教はひざまづいてお祈りするので、イスラム寺院と同じように椅子などは無く広い空間です。
聖職者のみが入れる部分との仕切りの正面の壁や天井をぎっしり覆うすばらしいフレスコ画。
イスタンブールの聖ソフィア大聖堂を真似たということでしたが、こちらの大聖堂の方が明るく光り輝いている感じがします。

大広場
聖三位教会や市参議堂、ブルケンタール国立博物館の前には、長さ142m・幅93mの大広場があります。
広場の周囲にはシビウ旧市街の美しい建物が並んでいて、いかにも中世のヨーロッパといった趣のシビウ歴史地区観光の中心でもあります。

市参事塔
大広場と小広場の間ににょっきりと生えている市参事塔。13〜14世紀に建設されたと推測されています。もともとはシビウの街を守る最初の城壁の門でしたが、市域の拡大とともに何度か改修が施され、現在のような時計塔となりました。

小広場
大広場に比べるとかなりこぢんまりとした小広場。聖三位教会や市参議堂を裏側から望むことができます。

うそつき橋
シビウ旧市街のアッパータウンに架かっているこの橋は、1859年に建造されたルーマニアで最初の鉄製の橋で、ゴシック調の装飾が重厚な雰囲気を醸し出しているあまり大きくはない橋です。
この橋の上で嘘をつくと橋が壊れるという言い伝えがあるので「嘘つき橋」と呼ばれています。この橋の下をくぐって歩いて行くと、旧市街の「ロウアータウン」と呼ばれるエリアになります。
ロウアータウンには、昔ながらの庶民的な建物が並んでいます。アッパータウンのような観光名所はないですがシビウの人たちの日常生活が垣間見える興味深いエリアです。

火縄銃士の塔
かつてシビウの町を取り囲んでいた城壁に設置されていた塔は、町を守る見張り台の役目を果たしていました。
ギルドと呼ばれるドイツ発祥の職人組合が自治をしていたシビウの町。各塔にはその塔を管理するギルド名(職業名)がつけられました。
現在残る数か所の塔の一つが火縄銃士の塔。ここから大工の塔までは外側と内側の二重の城壁の間に遊歩道が整備されていて、人々の憩いの場となっています。

陶工の塔
城壁沿いに歩いていると見える二つ目の塔。ここから次の大工の塔までは、二重の城壁のうち内側の城壁が残っています。

大工の塔
この塔付近までで内側の城壁は途切れてしまいますが、外側の城壁は続いています。

太った塔
大工の塔から外側の城壁を抜けると目に入る、その名の通りでっぷりとした存在感抜群の白い塔。
塔というよりも何かの建物のように見えますが、現在ではコンサート等でも使用されているそうです。

屋根につけられた「人の目」のような形の窓
シビウの旧市街を散策していると、多くの建物の屋根に、ユニークな形の窓が付いているのに気づきます。部屋の換気のためにつけられた窓らしいのですが、赤茶色の瓦屋根についたこの窓が、まるで「人の目」のように見えるのです。街を歩いていると、この「人の目」がついた建物があっちにもこっちにも!まるで生き物のように、建物からこちらを見て監視されているような、不思議な気分になります。


15時50分 シビウでの観光を終えて次の観光地のビエルタンへ。



















 
 日程 3日目 5月16日

ビエルタン要塞教会
12世紀、豊かさで知られていたトランシルヴァニア地方に「サシ」と呼ばれたドイツ系のザクセン人が商売を興すために入って来ました。中世のこの時代は、周辺の遊牧民族たちの攻撃が激しい時代でした。村民を守るための強固で城壁の厚い要塞教会は生活のために必要なもので、外敵に包囲されてもしばらくは暮らせるように、内部には水や食糧などの生活物資を備蓄していました。
建築様式はバロック様式ですが、内部は質素。1600年頃、このような要塞教会は600ヶ所も造られましたが、現在残るのはその半分ほどで、その内の7つの要塞教会がトランシルヴァニア地方の要塞教会群として、世界遺産に登録されています。
その中でも保存状態が良いのがビエルタン要塞教会です。
この教会は1412年に建設され、三重の壁で守られており、まさに要塞です。
入り口に到着し中に入ると左手に続く白い階段。
教会そのものは、東方教会によくある質素な作りといえます。しかしながらビエルタン要塞教会の祭壇はとても荘厳な雰囲気を持っているのです。祭壇の一番の特徴は、大きく開いた十字架の形をしており開閉式であるということ。
また、東方教会の特徴といえばイコン画ですが、ビエルタン要塞教会の開閉式の祭壇の中央にはキリストの像があります。基本的に東ヨーロッパにあるルーマニアでは正教会であることからキリストとか聖母マリア等の像はありません。
礼拝室内部の様子も、どちらからといえば西方教会の雰囲気があり、ルーマニアのある位置的なものなのか???です。
他の教会では考えられない見どころがもう1つ。礼拝室にある重厚なドアについている鍵です。これは今から500年も前に作られたものですが、それがそのまま残されているのです。直接触ってみれますが、大きくとても複雑な構造をしており、それが今でも正確に動くのは驚きでこの教会の見学コースになっています。
教会の礼拝室にこんな複雑な構造の鍵が必要なのか、敵が攻めてきたときに容易に開けられたないためとのことですが、重厚なドアと簡単には開けられない鍵、何か割り切れない不思議な気がしました。
礼拝室の外に出て、教会の裏側に進むと質素な一軒家があります。愛の回復小屋と呼ばれています。
教会という性質から、地域住民からは多くの悩みが寄せられました。その中には離婚したいという夫婦も相談に。そこで離婚を考えている夫婦が1週間から数週間、二人きりでこの中で生活をし、お互いをもう一度見つめ直し考え直す機会とするための部屋だったのです。
数多くの夫婦がこの中で過ごし、結果として別れたのはたった一組だけだったとか。まさに愛の回復小屋です。


17時15分  バスは今日の宿泊地シギショアラへ。

シギショアラでの夕食はルーマニア名物ドラキュラレストランでのドラキュラメニュー(次項 シギショアラ 参照)


食後 シギショアラ MERCURE BINDER BUBI へチェックイン。


















 



 日程 4日目 5月17日

8時30分ホテルをチェックアウトし世界遺産シギショアラ歴史地区観光へ。

シギショアラ歴史地区
1191年ハンガリー王の命により、ザクセン人が入植し、以降城塞都市として中世に大きな繁栄をした旧市街の歴史地区。デアル・チェタツィーという新市街を見下ろすような丘の上にあります。1999年ユネスコの世界遺産に指定されました。
この旧市街は砦のような外観を持ち、城壁に囲まれていて、中欧・東欧の都市の中でも、ゴシック、ルネッサンス、バロックなどの中世の建造物がそのまま残されていて中世にタイムスリップしたような雰囲気の町です。
また、城塞の中には13世紀から15世紀にかけて建てられたロマネスク様式の教会も多数残されています。

時計台
要塞を守る見張りの塔は14ヶ所ありましたが、現在は9つが残されています。シビウの見張り塔と同じように当時のさまざまな職人の組合(ギルド)の名前が付けられていて、「仕立屋の塔」、「皮革加工職人の塔」、「靴職人の塔」、「肉屋の塔」、「鍛冶屋の塔」など、往時の生活を思い起こさせるような名前が付けられています。
シギショアラ歴史地区を代表する塔が「時計の塔」です。
昔は市役所が入っていたところで、高さ64m。14世紀に建てられました。建物の高い位置に大時計があり、時間が来ると、塔の中から7つの人形が現れ、音楽に合わせて踊ります。といってもかなり高さがあり、人形はあまり大きくなくて、細かな動きまではよくわかりません。

山上教会
山上教会の正式名称は聖ニコラウス教会。14世紀の建造です。トランシルヴァニア地方のゴシック建築の中で代表的なものに挙げられていて、教会内には14世紀から15世紀の美しい壁画が残されています。また、ザクセン人が住んでいた周囲の村々から集められたルーテル派の壁画も展示され、博物館として公開されています。残念ながら内部は撮影不可でした。

学生階段
山上教会のすぐ隣には、現在ドイツ語学校となっている山上学校があり、その近くの高台からはトランシルヴァニア地方の素晴らしい眺望が見られます。
回り道の坂道があるのですが、この学校に通う学生が道が冬季には凍って危険なために屋根付きの階段が造られ今でも使用されています。これが学生階段です。

ドラキュラレストランでのドラキュラメニュー
吸血鬼ドラキュラ伝説のドラキュラモデルとされるワラキア公ヴラド・ツェペシュは、実在の人物。彼が生まれた家がシギショアラの歴史地区に残されていて、父ヴラド・ドクトルが幽閉されていたというのが、現在「カサ・ヴラド・ドクトル」という名前のレストランとして残されています。時計塔前の広場に面した黄色い壁の建物で、入り口には「竜」の意味をもつ父の名を示すように、竜をあしらった看板が下がっています。
2階のレストランの壁にはヴラド・ツェペシュと共にシギショアラの街並みも描かれています。食事を待つ間に3階に上がってみると中世の武具やブラド・ツェシュペの像などが展示されており、部屋の中央にはドラキュラの棺も。
このレストランは伝統的なルーマニア料理が中心ですが、ドラキュラに因んだ料理が楽しめます。赤のパプリカをドラキュラの心臓、トマトスープを流れ出た血に見立てた「ドラキュラの心臓」、ベリーやさくらんぼの赤いフルーツで作ったソースが血をイメージしている「ドラキュラ」と名の付いたデザートのクレープなど、他のレストランでは味わえないディナーでした。



10時 シギショアラ歴史地区の観光を終えてバスはサスキズへ。






                                     
   PART 3 へと続きます。


PART 1:ブカレストへ  トゥルゴヴィシュテ  ホレズ修道院

PART 2:シビウ  ビエルタン要塞教会  シギショアラ歴史地区
PART 3:サスキズ要塞教会  ブラショフ  ブラン城
PART 4:シナイア  ブカレスト  イワノヴォ岩窟教会
PART 5:ヴェリコ・タルノヴォ  カザンラク  コプリフシティツァ
PART 6:リラの僧院  ボヤナ教会  ソフィア  帰路



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陽光のマルタをめぐる8日間

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